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研究?採択情报

骨肉肿の「肺転移」を抑制するメカニズムを解明:骨肉肿の新规治疗标的を発见

 岐阜大学大学院医学系研究科整形外科学の秋山治彦教授、河村真吾讲师、槇利衣大学院生らの研究グループは、爱媛大学との共同研究で、解糖系の代谢酵素である「乳酸脱水素酵素础(尝顿贬础)(注1)」の抑制が骨肉肿の肺転移を抑制することを新たに発见しました。
 骨肉肿は小児?若年者に多く発症する悪性骨肿疡であり、肺に転移すると予后が不良となります。本研究では、解糖系酵素である乳酸脱水素酵素础(尝顿贬础)に着目し、骨肉肿の肺転移における役割を详しく调べました。
 その结果、マウス骨肉肿细胞において尝顿贬础の発现を抑制すると、がんの転移(注2)プロセスである细胞の游走および浸润能が低下しました。また、マウス肺転移モデルでは尝顿贬础抑制により肺への転移が有意に抑制されました。その背景に、尝顿贬础が制御する下流経路として「ヘッジホッグシグナル(注3)」が関与していることを特定しました。この検証実験を行ったところ、尝顿贬础の発现抑制に伴いヘッジホッグシグナル関连分子の発现が低下することを确认しました。
 さらに、ヘッジホッグ阻害薬「ビスモデギブ(注4)」を用いた実験では、骨肉肿细胞の游走?浸润を抑制するとともに、マウス肺転移モデルにおいても肺への転移が抑制されました。
 ヒト骨肉肿细胞と患者由来骨肉肿検体においても尝顿贬础とヘッジホッグシグナル関连分子の発现に相関が认められました。そして、ヒト骨肉肿细胞においても、尝顿贬础の発现抑制によりヘッジホッグシグナル活性および游走?浸润能の低下が确认されました。
 これらの结果から、マウスと同様にヒト骨肉肿においても、尝顿贬础はヘッジホッグシグナルの上流で机能し、骨肉肿细胞の游走?浸润を促进することが示されました。これらの结果は、尝顿贬础-ヘッジホッグシグナル伝达がヒト骨肉肿の肺転移にも関与する可能性を示唆しています。
 本研究は、尝顿贬础-ヘッジホッグ伝达経路を骨肉肿肺転移の新たな创薬标的として、マウスでの知见をヒト疾患へ外挿できる可能性を示しています。
 本研究成果は、現地時間2026年6月25日にCancer Research Communications誌のオンライン版で発表されました。

本研究の概要図
本研究の概要図

本研究のポイント

  • 骨肉肿は小児および若年者に最も多い悪性骨肿疡で、肺転移が患者の予后を大きく左右します。
  • 本研究では、まずマウス骨肉肿モデルを用いて肺転移のプロセスを解明し、その结果がヒト骨肉肿细胞や患者由来の肿疡组织にも当てはまることを検証しました。
  • マウス骨肉肿细胞では「乳酸脱水素酵素础(尝顿贬础)」を作る量を减らすと、肺転移を抑制することを発见しました。
  • 尝顿贬础はヘッジホッグシグナルという细胞间の情报伝达システムを介して骨肉肿细胞の移动(游走?浸润)を高め、その结果として肺へのがんの転移を促进することを明らかにしました。
  • 临床で使用されるヘッジホッグ阻害薬「ビスモデギブ」はマウスモデルにおいて游走?浸润、そして肺転移を抑制することを确认しました。
  • ヒト骨肉肿细胞および患者由来临床検体においても尝顿贬础-ヘッジホッグ伝达経路との関连が确认され、マウスの転移プロセスがヒトの骨肉肿にも関係している可能性が示されました。
  • 本研究は、尝顿贬础-ヘッジホッグ伝达経路が骨肉肿の肺転移の新たな创薬标的として、そして肺転移のバイオマーカー(注5)や患者层别化研究の基盘となる成果です。

详しい研究内容について

骨肉肿の「肺転移」を抑制するメカニズムを解明:骨肉肿の新规治疗标的を発见

论文情报

  • 雑誌名:Cancer Research Communications
  • 论文名:Ldha Regulates Osteosarcoma Lung Metastasis through Hedgehog Signaling
  • 着 者:Rie Maki, Shingo Komura, Akihito Nagano, Ayumi Niwa, Hiroyuki Tomita, Yuuki Imai, Haruhiko Akiyama
  • 顿翱滨:

用语解説

  • (注1) 乳酸脱水素酵素A (LDHA)
    细胞がエネルギーをつくる际に働く酵素の一つで、糖を分解して乳酸をつくる过程(解糖系)を助けています。がん细胞では尝顿贬础が过剰に働くことが多く、がん细胞の増殖や生存、転移に関与することが知られています。
  • (注2) がんの転移
    がん细胞は周囲へ移动する「游走」と组织へ入り込む「浸润」の能力を获得し、血液やリンパ管を介して远くの臓器へ広がります。このように别の臓器で新たな肿疡を形成する现象が「転移」であり、多くのがん患者さんの予后に大きく影响します。
  • (注3) ヘッジホッグシグナル
    胎児の発生や组织の形成を调节する细胞间の情报伝达システムです。通常は発生时に重要な働きをしますが、がんでは异常に活性化し、がん细胞の増殖や転移を促进することがあります。
  • (注4) ビスモデギブ(Vismodegib)
    ヘッジホッグシグナルという细胞の増殖や発达を调节する仕组みを抑える薬です。一部のがんではこのシグナルが过剰に働いているため、その働きを抑えてがんの进行を防ぐことを目的として使用されます。
  • (注5) バイオマーカー(生物学的指標)
    病気の有无や进行度、治疗に対する反応などを客観的に测定?评価できる「体内のサイン(目印)」のことです。血液、尿、遗伝子、タンパク质など、体内の様々な物质や状态がこれに该当します。